たわいのない事ですが、毎朝の日課としていつものように我が"GO!NAVY"を覗いたところ、カウンターが151818を示していました。これを見た私は思わず『おっ!懐かしのBu.No.だ!』と一人で喜んでしまいました。2000年5月11日の朝に起きた些細な出来事です・・・・・・。

Grumman KA-6D Intruder

 1980年12月6日に撮影された写真のBu.No.151818のKA-6Dは、1977年10月18日に大西洋艦隊に就役後間もない当時としては最新鋭の原子力空母CVN-69 Dwight D. Eisenhowerが、大西洋・地中海・スエズ運河を越えてはるばるインド洋まで展開してきた時にCVW-7(AG)の一員として搭載されていたVA-65 "Tigers"所属機で、この日はVA-115への補充機として遠くインド洋からフェリーされて来た時のものです。ベトナム戦争集結の1975年以降、大西洋艦隊のCVWを表わす"A"レターが厚木で撮影できる事はまずありえず、この日の突然の飛来を撮影した人達全員が、撮影後もしばらくは興奮状態だった事は言うまでもありません。

 ベトナム戦争たけなわの1966年、米海軍は評価テストとして多くの空母搭載機に迷彩塗装を施したが、1966年5月12日、CVW-15(NL)を搭載し母港アラメダを出港したCVA-64 Constellation上にもグリーン系2色で迷彩塗装されたA-6Aを装備する奇しくも上の写真と同じVA-65 "Tigers"が所属していた。この迷彩塗装機は、空母名、部隊名、レター"NL"が一切書かれておらず、400番台の機種番号が白文字で書かれているだけの当時としては大変に味気ないものだったが、米海軍機としては珍しい迷彩塗装ゆえに、マニアの間では意外と人気が高かったようだ。この時のVA-65所属機は、空母出港より一足早くTrans-Pacで1966年5月上旬から厚木へ展開しており、6月上旬にConstellationが横須賀へ寄港するまでの約1ケ月間も厚木で訓練飛行を重ねていたが、その中には151818が機種番号412で確認されている。

 ベトナム戦争の戦火をかいくぐって無事1966年12月に帰国した151818は、1971年のKA-6Dへの改造後も含めて、一時的にVA-35 "Black Panthers"に所属した時期もあったが、何故かVA-65の所属となる巡り合わせが多い不思議な機体だった。1980年12月にVA-115に配属直後には524の機種番号を与えられていたが、その後、517の機種番号に変更され1983年までVA-115に所属した後、帰国してしまった。151818の最後の配属先は予備役のVA-205と思われるが、1990年末頃にAF-520として確認されたのを最後に私のノート上の記録が途絶えてしまっている・・・。

(2000年5月15日、 写真・解説 : 広江 隆文)