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Vought F-8E Crusader

　1966年10月31日、厚木基地R/W01に着陸するVF-194所属のF-8E(150909/NM-400)。同機は、1966年10月15日、母港アラメダを出港したCVA-14 Ticonderoga(CVW-19搭載)の横須賀入港に伴ない厚木に飛来したもの。Modex400からもわかるように、垂直尾翼にはVF-194の部隊マークである赤い電光を残しつつ、CVW-19の所属部隊を表わす5色で塗り分けられているCAG機である。
　1965年7月12日の制定により、当時のCVWに所属する各部隊は以下の色を基調とする塗装を施す事となった。従って垂直尾翼に用いられている5色は、第1飛行隊から順に、VF-191(F-8E), VA-192(A-4E), VA-52(A-1H/J), VF-194(F-8E), VA-195(A-4C)を表わしており、これら5個飛行隊に加え、VFP-63Det.E(RF-8G), VAH-4Det.E(A-3B), VAW-11Det.E(E-1B), HC-1Det.E(UH-2A/B)の4個分遣隊でCVW-19が構成されていた。

部隊		色	FS No.
第1飛行隊	Modex 100番台	Insignia Red	11136
第2飛行隊	Modex 200番台	Orange Yellow	13538
第3飛行隊	Modex 300番台	Light Blue	15102
第4飛行隊	Modex 400番台	International Orange	12197
第5飛行隊	Modex 500番台	Light Green	14187
第6飛行隊	Modex 600番台	Black	17038
第7飛行隊	Modex 700番台	Insignia Blue	15044

　その後、CVWに所属する各部隊の機種改編などにより、1975年8月14日に以下のように改定された。上の写真は、1975年8月21日に撮影された、CV-41 Midwayに搭載されていたVF-151所属のCAG機F-4N(151400/NF-200)だが、垂直尾翼のカラーリングは当時のCVW-5に所属する部隊を上から順に、VF-161(F-4N), VF-151(F-4N)の2個戦闘飛行隊と、VA-93(A-7A), VA-56(A-7A), VA-115(A-6A/B, KA-6D)の3個攻撃飛行隊を表わしており、各部隊も、これらの色を基調とする塗装が施されていた。
　なお、CVW-5にはこの他、VAW-115(E-2B), VMFP-3Det(RF-4B), VMAQ-2Det.(EA-6A), HC-1Det.2(SH-3G)が所属していたが、VAW-115のE-2Bには本来、Insignia Blueを基調とする塗装が施されるべきだが、実際はパッチに使用されているグリーンとイエローが基調となったカラーリングが施されており、これは現在までも引き継がれているようだ。

部隊		色	FS No.
第1戦闘飛行隊(VF)	Modex 100番台	Insignia Red	11136
第2戦闘飛行隊(VF)	Modex 200番台	Orange Yellow	13538
第1攻撃飛行隊(VA)	Modex 300番台	Light Blue	15102
第2攻撃飛行隊(VA)	Modex 400番台	International Orange	12197
第3攻撃飛行隊(VA)	Modex 500番台	Light Green	14187
早期警戒飛行隊(VAW)	Modex 600番台	Insignia Blue	15044
偵察飛行隊(RVAH/VFP)	Modex 610番台	Black	17038
戦術電子戦飛行隊(VAQ)	Modex 620番台	Maroon	10049
対潜飛行隊(VS)	Modex 700番台	Dark Green	14062
ヘリコプター(HS/HC)	Modex 720番台	Magenta	17142

　そもそもCAG塗装は、上のF-8EやF-4Nのように、その部隊の基本的な塗装にCVWに所属する各部隊色を加えてカラフルな機体に仕上げるのが一般的だったが、1980年代以降のLow-Visibility化が進む中、機体から部隊色が消えると共に派手さばかりを追求するようなCAG機が続出してきた。それは、現在のCVW-5に所属する各CAG機にもあてはまる事で、いずれも基本的な部隊塗装とはかけ離れた派手な塗装で、私のようなオールドタイマーには妙な違和感を感じる。
　しかしながら、CVW-5の各CAG機をよく見ると、下のVAW-115所属のCAG機のように、小さいながらもCVW-5所属機を表わす5色のシェブロンが画かれているのに気がつく。昔ながらの風習が未だに受け継がれているようで、何故か気持ちがほっとさせられる。

(写真 : 赤塚薫、関野義和、広江隆文、　解説 : 広江隆文)